持株会に思うこと
株式投資は、これまで行ってなかったのですが、会社の持株会を通じて自社株は20年以上買い続けていました。当方一部上場企業に勤務しているのですが、20年の間には、ITバブルがあったり、リーマンショックがあったりで株価は上がったり下がったりの繰り返しでこれまで売却について真剣に考えたことはありませんでした。長期保有する分には売却するタイミングは検討する必要がありますが、持株会の利用は、購入時に会社が補助金を出してくれたり、一定数の株を保有するようになればそれなりの金額の配当金も出るので資産形成のためには有益だと思います。
家のリフォームをする決断をしたためその資金調達の手段として持株会の株売却をすることにしました。アベノミクス効果もあり株価については、ここ数年好調に推移しているようで売買益もそれなりに出そうです。10月の増税タイミング前に株の一部拠出をして現金化することにしました。
持株会の補助金などの恩恵は継続して受けたいことと、利益をいっぺんに出しすぎると私立高校の授業料軽減助成金の年収制限にかからない程度にするために一部拠出とすることにしました。
野村證券に口座を開設
持株会の株を現金化するためには、幹事会社となっている証券会社に口座を開設する必要があります。私の会社の場合は野村證券へ持株会事務を委託していました。
現金化には、持株会に保有している自分の株を、証券会社の個人口座に振替をします。その上で個人口座から売りの指示を行うことで現金化することができます。
野村證券に持株会事務を委託している企業の従業員を対象として、野村證券では持株Webサービス
を提供しています。このWebサービスから口座開設の申し込みを行うことができました。
窓口やWebから普通に口座開設をした上で、持株会Web上で振替口座の番号を指定することも当然可能と思います。
証券取引を目的に口座開設をするのであれば、ネット系の証券会社など手数料が安いとこだったりNISAなども含めた比較検討をしたと思いますが、持株会の株を現金化するためには選択の余地はありませんのでWebから口座開設を申し込みます。
野村證券には、2通りの取引口座があります。1つは本・支店に口座を開設し担当者に店舗または電話で相談しながら売買をすることができるタイプのものと、インターネット上に口座を開設してネットや電話を介して売買をするタイプ「野村ネット&コール」 になります。当然後者の方が手数料が安く自分のペースで取引が行えるため迷うことなく。「野村ネット&コール」で申し込み。
後日、写真のような開設のための書類一式が送付されてきますのでマイナンバー確認書類と免許などの本人確認書類を送付すれば1週間ほどで口座を開設することができました。
・ 野村カード
ATMでの證券口座への入出金を行うためのカードです。
・ 野村信託銀行
野村信託銀行に口座を開設することができます。
銀行のバンキングサービスを受けることができます。振込手数料が無料です。
利益確定と現金化(売却指示)
持株会の株を拠出する場合は、売値はそのタイミングでの売価になりますが、買値は平均買付価格(移動平均法による取得金額)で評価されるようです。この差額を取引毎に売買損益として計算し、利益が出た場合には雑所得(譲渡益)として税金を納める必要があります。
口座の種類として特定口座を選択すると、売買における損益計算を野村證券が代行してくれ「源泉徴収あり」を選択すると確定申告も不要になり、利益確定したタイミングで譲渡益税を徴収します。損益が出た場合に、徴収金が既にあった場合には還付されることになります。
特定口座ではなく、一般口座を選択した場合には年間の譲渡損益を計算した上で確定申告をする必要があります。
総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)=上場株式等に係る譲渡所得等の金額
20%(所得税15%、住民税5%)
令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。
私学の助成金は、住民税の所得割に応じて制限がかけられますのでこの5%を見てどの程度拠出するかを計算しました。
株の売却については、売却金額と期間を指定するなどして申し込みをインターネットから行い、株価がその金額を超えれば現物取引が成立して現金が口座(正確には野村MRF(マネー・リザーブ・ファンド))に振り込まれます。
野村信託銀行へ出金
最後に株から現金にして実際に使用するための方法を説明します。持株会から現金化が目的なので證券を購入するための入金方法は利用しませんでしたがこちらもいくつか方法があるので整理しておきます。
何とほとんどの方法が手数料無料で利用することができます。
- Web入金 (提携金融機関のインターネットバンキング)
- あんしん振替 (事前登録した本人名義の銀行口座からの即時入金)
- 野村カード (ATMの利用)
- 銀行振込
- 銀行振込 (事前登録した本人名義の銀行口座へ振込)
- 野村カード (ATMの利用)
- 野村信託銀行への振込
本人名義のメインバンクの口座を登録しておけば、その銀行とのお金のやりとりは手数料がかからずに対応できます。
野村信託銀行をサブ銀行として活用すると、ひと月に10回まで、他行宛の振込についても手数料が無料で利用することができます。学費や月謝など振込を頻繁に行うことがある人は手数料を節約するために口座を開設しても良いかもしれません。同一銀行でも手数料を取るケースも増えてきており振込手数料が無料にできるのはかなり魅力的ではないでしょうか。
まとまったお金を動かすにあたって、持株会から株の一部拠出をしてみた話をしました。野村證券が管理会社であったならば参考にしてみてください。
持株会の株の譲渡益をNISAの対象として非課税にすることはできませんが、持株の振替口座として開設した口座(この例では野村證券の口座)をNISAの口座として登録することはできるようです。NISAの取引についても手数料はかかりますので、どの証券会社の口座を登録するのがお得なのかは、また検討して記載してみたいと思います。
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