住宅ローン完済後の抵当権抹消登記を自分でやってみた

住宅ローン完済後の抵当権抹消登記を色々調べて自分でやった手順を記録しました。これから挑戦しようと思っている人の参考になれば幸いです

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住宅の抵当権とは

抵当権とは、銀行からお金を借りる際に、土地とか建物を借金の担保に確保するためのものです。住宅ローンが万が一払えなくなった場合に、銀行が借金の代わりにその家と土地を取り上げることができる権利のことになります。
ローンを組む際には、当然この契約を行わないと銀行はお金を貸してくれませんので住宅を取得した際には、銀行によって法務局にて抵当権を設定する登記を行われるのが普通です。

ローンを組んだ後は最長で35年など長い期間コツコツと返済を続けます。近年はそれほど金利も高くはないですがお金に余裕ができれば繰り上げ返済などをして借金を減らす努力をしてようやく完済です。10年以上ローンを返済してきた身からすると結構、感慨深いものがありますよね。
終わった!!と喜んでしばらくすると、銀行から書類が郵便で送られてきます。
ローン返済完了おめでとうといった洒落たものではなく、 抵当権を抹消するために必要な銀行側の書類 と一緒に事務的なメモが同封されてます。
そこには、『法務局にて自身でお手続きされるか、司法書士にご依頼下さい。なお、書類には有効期限があるので お早めにお手続き下さい。』と無機質で事務的な案内書類だけ。
ローンを組む時は色々を書類を準備して手続きも代行してくれたものですが、完済してしまえば、もうお得意様ではないので、抵当権抹消の手続きはご自分でしてくださいということのようでした。

当然初めてのことですのでネットを使って調べてみると、司法書士に頼んだとしても1万円前後が相場でまた、それほど難しいこともなく自分でやる人もそれなりにいることが分かりました。申請方法の情報もそれなりに存在したので、自分で手続きについて挑戦してみることにしました。

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最初にやることは法務局を探す

最初にやることは、申請先となる最寄りの法務局を探しましょう。不動産の所在地によって法務局の管轄は決められています。法務局のホームページから管轄の法務局を探しましょう。

①法務局のホームページから、各都道府県の法務局を探す。
  地方法務局の一覧
②地方ホーム局のページから、申請したい不動産の管轄の法務局を探す。
 (リンクは、東京法務局の一覧)
  東京法務局の管轄区域一覧
③住所や地図から、申請に行くべき法務局への行き方を理解する。
  東京だと、区だったり市毎まとまって出張所が存在します。

これで、どこに種類を提出するのかが分かりましたか?
また大抵の出張所においては、書類の作成にあたっての相談所が開設されており、申請前に提出書類をチェックしてくれます。自分で申請するにあたっては心強いサービスになりますので利用しない手はありません。管理人も当然提出前には書類を見てもらって、丁寧に仕上げをしながら作成方法を教えてくれました。

抵当権抹消登記にかかる費用と必要書類

抵当権抹消登記には、登録免許税が費用としてはかかります。それ以外に法務局において手数料などがかかることはありません。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1物件について1000円です。土地と建物など物件が分れて登記されていればそれぞれに必要になります。

次に準備する書類について

抹消登記に必要な書類は、以下の6つになります。
① 抵当権抹消登記申請書
自分で書類を作成して準備する必要があります。
様式は、下記法務局のホームページの16)抵当権抹消登記申請書を使用するといいでしょう。(記入例は後述します。)
 不動産登記の申請書様式について

② 登記にかかる登録免許税
自分で書類を作成して準備する必要があります。
登録免許税の納付方法ですが、収入印紙で納めることになります。なのでこの書類は登録免許税納付用紙という意味になるのですが、A4白紙の紙に印紙を貼ったものを準備すればよいです。登録免許税 印紙貼用台紙とタイトルを記入したものでよいです。納付は収入印紙です登記印紙ではありませんので注意ください。また収入印紙に割印はしないようにしてください。後で書類を綴じる際に①と②の書類をホチキスで留めて、申請書に押した印鑑で登記申請書と印紙貼用台紙に契印をします。(法務局に直接書類を持ちこみ相談をしてこの辺の書類の仕上げ作業もお願いしてしまいましょう。)

登記原因証明情報 (解除証書、弁済証書)
金融機関から預かった書類になります。
今回登記登録(抵当権抹消)を行う原因となった事実を証明する書類です。
ローンの完済の場合は、抵当権者が作成した弁済証書や解除証書がこれに当たります。抵当権設定契約証書(兼解除証明)など、契約を解除したことが記載された書類でもよいです。
   
④ 登記識別情報または登記済証
金融機関から預かった書類になります。
登記をした際に法務局が発行した書類で、不正などを防止するための識別情報が含まれたものになります。(登記をした人が保持しているもの、第3者に読み取られないようにカバーがしてあったりします)

⑤ 代理権限証明情報
金融機関から預かった書類になります。いわゆる委任状のことです。
抵当権の抹消手続きを、不動産所有者本人に委任しますといった内容の書類が該当します。

⑥ 資格証明情報
金融機関から預かった書類になります。登記簿謄本や登記事項証明書、現在事項証明書などのタイトルの書類です。
抵当権を設定していた金融機関などの法人が、現在も会社として存続していることを証明するものが資格証明として該当します。この書類には3ヵ月などの有効期限があり、その期間を過ぎた場合には、自分で再度法務局で登記事項の証明書を取得する必要があるのです。よって銀行から書類が送付されたタイミングから3か月以内を目途に手続きをする必要があるのです。
抵当権を抹消しなくても、そのまま不動産に住み続ける場合には直ぐに問題になる訳ではないのですが、例えば売却をしたりする場合には必要な処理になりますので銀行からの書類がそろっている間に実施することをお勧めします。

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抵当権抹消登記申請書 の作成

抵当権抹消登記申請書の書き方の説明になります。元のフォームを法務局のホームページから取得してワード等で加工しながら作成してください。
ひとつひとつの項目について、何を記載したらいいかを以下で説明します。記入にあたっては 全部事項証明書 を見て正確に記載ください。全部事項証明書は、抵当権を設定した際のものでも、現時点での内容証明でもよいので手元に置いて正確に記載ください。 →(矢印)以降の記述は説明のためのコメントです。

登 記 申 請 書

登記の目的  抵当権抹消
  → この通り記載。抵当権抹消のための申請であるという意味です。
原   因  平成YY年MM月DD日 解除
  → ローンの完済日を記載します。
抹消すべき登記  平成○年○月○日受付第○○○○号
  → 抹消したい登記(銀行が設定した登記の日付と番号を記載します)
権 利 者     住所〇〇〇
       氏名○○〇
  → 不動産の所有者の情報を記載します。登記事項証明書に記載された内容と同一であることが必要です。夫婦で共有名義になっているのであれば、持ち分も含め連名での記載をします。
義 務 者  住所□□□
       氏名□□□
  → 銀行など金融機関の住所と代表取締役の名前などを記載。当然抵当権を設定している法人の情報を記載します。
添付情報   登記識別情報
       登記原因証明情報
       会社法人等番号
       代理権限証明情報
  → 金融機関から提示されたもので、添付書類として提出する書類のタイトルを記載します。上記書類の名称は適当に修正してください。必要書類の③④⑤⑥の書類です。

平成YY年MM月DD日申請  △△△  法 務 局 御中
  → 申請書を提出する日付と宛先(申請書を提示する法務局・出張所)を記載します。
申請人兼義務者代理人
  東京都○○市××   氏名   <捺印>
  連絡先 99-9999-9999  
  → 申請者の住所、氏名、連絡先の電話番号を記載します。また氏名の後ろに認め印でよいので捺印が必要です。    

登録免許税   金 2,000円
  → 納付する印紙代の金額を記載。土地と建物など1個につき1000円です。

不動産の表示
 不動産番号   ○○〇
 所   在   ○○〇
 地   番   ○○〇
 地   目   ○○〇
 地   積   ○○〇
  (順位番号  番)
 不動産番号   □□□
 所   在   □□□
 家 屋 番 号    □□□
 種   類   居宅
 構   造   木造瓦葺2階建(例)
 床 面 積   1階 nn.00㎡
         2階 nn.00㎡
  (順位番号  番)
 → 全部事項証明書から土地と建物の情報を正確に転記します。マンションの場合だと、一棟の建物の表示、専有部分の建物の表示(家屋番号、建物の番号、種類、構造、床面積)敷地権の表示(所在及び地番、地目、地積、敷地権の種類、敷地権の割合)といったものになります。

いざ法務局へ申請書類の提出

提出すべき書類が揃いましたら、書類一式を持って法務局へ行きます。書類の提示には準備した書類一式を本の様に綴じた状態にして、かつ必要箇所に割印を押印することが必要なのですが、完璧な書類を揃えるのは難しい場合が多いので法務局の相談コーナーに持ち込んで書類のチェックをしてもらいましょう。
法務局に行ってやることは、収入印紙の購入と現在の登記情報が記載された全部事項証明書を取得しましょう。取得したら印紙と書類を添えて抵当権抹消登記をしたいのですが、書類を確認してもらいたいと相談しましょう。

申請書類のファイリングと申請内容のチェックを相談窓口で実施してもらいましょう。また分からないことがあればその場で聞いて修正してしまいましょう。印鑑は書類に割印をするために必要になりますので持参してください。必要書類を順番通りに綴じる作業と、綴じた書類が後から変更されていないことを証明するために割印として捺印をするのですが、この部分を間違いなく自分で実施するのは、素人には難しい作業になるので必要書類を持参してこの部分の作業はプロにお任せしてしまいましょう。相談窓口で問題なく対応してもらえるはずです。

チェックが完了して提示書類が完成したら、申請窓口(相談窓口とは別です)で、「抵当権の抹消登記を申請しに来ました」と伝えましょう。係の方が申請書一式を受け取ってくれます。その場で書類に問題がないかをすぐにはチェックしてくれませんので、その日はこれで終わりです。この日はただ申請書を提出するだけで、「なんだこれだけなの?」と思われるかもしれませんが本当にこれだけです。申請したら「補正日」がいつになるかを確認しましょう。補正日とは抹消に関する補正が完了する予定日のことです。通常は、法務局の窓口に掲示されています。この「補正日」に登記が無事完了したか、 または不備があって補正をする必要があるか否かが確認できます。何も連絡がなければ無事抹消登記が完了したことになります。 補正日以降に再度法務局を訪問して全部事項証明書を取得すれば無事抹消されていることを確認することができます。

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